DIARY



 5.11
これまでどんな部屋に住みたいかとはあまり考えたことがなかった。
シンプルで色や物が少ない方が落ち着く。くらいの感覚でした。
でも最近になってインテリアを意識するようになる。
私にとっては大きな変化です。

きっかけは、知り合いの作家さんにダイニングテーブルを作ってもらった事。
ずっと考えていた願望でした。
我が家にやってきたテーブルはコンパクトながらも武骨。
鉄脚に無垢材の木目は力強く、存在感がすごい。
周りを囲むごく普通の家具たちが急にチグハグに感じ始める。

どうしようか。暫くの間考えて。
テーブルを中心にして椅子や照明も入れ替えてみました。
邪魔をしないように背の低いシンプルな黒い椅子。
おかげで空間の中心が定まった気がする。

棚にはガラスの花器を。
空間を作る楽しさ。少しずつ触れています。









 4.10
「クラフトとアートの世界の境目がなくなってきた」
ここ数年耳にする言葉で、
関わる多くの人達が感じている事なのだと思う。

「使う」という用途だけではなくて、
「心が動く」という用途にも多くの方が目を向けるようになる。
社会の変化を考えると、必然な事なのかもしれません。

ただの道具から作り手を思い浮かべる。
ただの物から何かを思い浮かべる。
自分が何を感じているのか。
自分の心に目を向ける事は素晴らしい事だと思う。
古道具の世界で聞いた「0か1か」のお話。
ようやく世の中が追いついてきたのかもしれません。

作り手としての自分はどうなんだろうな。
自分が作った物をどう感じるのかは人それぞれで、
私はただ織る事に惹かれ、続けていきたい。
そう在れたらいい。理想かな。
さて。今日も織ります。









 3.9
「丁子」で染めた糸で織っている。
古来から香料としても使われてきた丁子。
染めている傍からいい香りがして、
織っている今もほのかな香りが残っている。

7、8年前、丁子で染めた糸でストールを織り、展示したことがありました。
久しぶりの展示が決まった時、
草木染の布を作らなければならないと感じた。
でも、自分がいいと思う布になるのか。今一つ自信が持てない。
せめぎ合いながら織った布は泣きそうになる程タテ糸が切れて。
何とか仕上げたけれど、作品にするかとても迷いました。

当日、控えめに布を並べる。
持ち帰ってくれたのは出展していた作家さんの奥様でした。
後悔している事でもなく、満足している事でもない。
この香りを嗅ぐとその方の事やその時の光景を思い出す。

久々の丁子は今の所いい感触。
最後に洗い、イメージ通りの質感になりますように。
もうしばらく織り続けます。







 1.8
昨年末のヨリフネでの個展。
無事終了いたしました。
このような難しい状況の中、
足を運んでいただいた皆様。
お問い合わせいただいた皆様。
お選びいただいた皆様。
本当にありがとうございました。

店主船寄さんには尽力いただきました。
自分の感覚を信じようとする姿勢、
真っすぐな方です。
私はスマートにありたいなんてカッコつけちゃうのだけれど、
今回はそうならない場面もありました。
それがとても良かったと感じています。

最終日。社会人になりたての方が共感したと話され、
エイッと選んでくれたそうです。
きっと余裕があるはずではない中で、
それ以上の何かを感じてくれたのかもしれません。
嬉しかったな。
選ばれ方にも様々あるという事を今回の展で意識しはじめた。
そんな自分がいます。

皆様の元で布がお役に立つ事。
願っています。











20.1-12